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『ゴキブリ』の著者について

IMG_20161022_003200.jpgジェノサイドを題材にした小説

1994年にルワンダで起こった、フツ人によるツチ人に対してのジェノサイドを題材にしたルワンダ人女性作家 の自伝小説 Inyenzi ou les Cafards 『ゴキブリ』のあらすじを紹介していきます。
今回は、著者の略歴の紹介です。

■出版社:ガリマール社、2006年刊行です。(2014年2月刊のfolio版では208ページ)

■著者略歴:Scholastique Mukasonga スコラスティック・ムカソンガ。1956年ルワンダ生まれの女性作家。幼少の頃から民族迫害を経験しました。1972年迫害の激化により隣国ブルンジに亡命、ソーシャルワーカーとして働くうちに伝承文学の研究者であるフランス人の夫と知り合い結婚、1992年にフランスに定住します。自身は1994年のジェノサイドを免れましたが、27人の親族を失いました。2006年、亡命までの「ポグロム」体験をもとにした、この『ゴキブリ』により文学の世界に入ります。原題の中の Inyenzi 「イニェンジ」 はルワンダ語でゴキブリの意味で、ツチ人に対する蔑称として用いられた言葉です。続けて自伝的作品として、2008年母をテーマにした『裸足の女』、2010年『飢え』を刊行します。2012年には体験に基づくフィクション作品『ナイルの聖母マリア』(2019映画公開)でルノドー賞を獲得しました。

参照:
著者の公式サイト http://scholastiquemukasonga.net/en/
学術研究としては、
元木淳子先生の「ジェノサイドの起源 : スコラスティック・ムカソンガの『ナイルの聖母マリア』を読む 」、『法政大学小金井論集』10巻33-58ページ、2013年、をお読みください。
https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9922&item_no=1&page_id=13&block_id=83
英訳版『ゴキブリ』は、ニューヨーク・タイムズ紙「過去50年の自伝ベスト50」(2019年6月)のベスト26~50に選出されています。
https://www.nytimes.com/interactive/2019/06/26/books/best-memoirs.html?smid=tw-share

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